連載 『セトウツミ 』

菅田将暉ってよく出てるなー」程度にしか関心がありませんでしたが『セトウツミ』を劇場で観て以来、度胸も技術もすごい人だと注目しています。
そういうわけで今回は、昨年の劇場公開時にはみんな「DVDで観りゃいいリスト」に入れてた『セトウツミ』を紹介いたします!






連載『愚行録』

フィルマガ 映画イラストコラム連載も11回目!

妻夫木聡主演『愚行録』です。

現在公開中の妻夫木聡主演映画奥田民生になりたいボーイと出会う男すべて狂わせるガール恋に溺れる男の愚かさをポップに描いた映画ですが、同じく妻夫木聡主演で人間の愚かさを乾いたタッチで描いたのが愚行録
今年2月に公開されましたが、もうDVD出てるんですね、早い。
DVDのいいところは観終わった後にすぐに観返すことができる点ですね。今作も頭から観返すと、ラストと冒頭の妻妻夫木聡の行動がリンクしてくるし、些細な仕草や表情が実は「衝撃のラスト!」への伏線になっていたことにも気づけますよ。

未解決の一家惨殺事件を追う妻夫木聡

妻夫木聡が演じるのは未解決の一家惨殺事件を追う記者です。同僚や上司は「忘れられた事件をなんで今頃……」と呆れていますが、妻夫木聡「時間が経ったからこそ出てくる証言もあるはず」と関係者への取材を開始します。彼にはこの事件を追う本当の理由があるのですが、それはラストまでわかりません。
殺害されたのは絵に描いたような幸せな家族で近隣の住民にも感じが良かったのですが、関係者への再取材によってこの家族の「真相」が暴かれていきます。




連載『フランシス・ハ』

今回は、映画『フランシス・ハ』です。
主人公のフランシスは27歳の見習いダンサー。ニューヨークのアパートで親友のソフィーと同居していて、当初は彼氏もいました。
しかしその彼と別れて、親友ソフィーからは別居を言い渡されてしまい、家なし恋人なしの状態に。お金もなくて、あるのは「プロのダンサーになる」という夢だけですが、本気でダンスレッスンをしている感じでもなく……。

目標があるならそれに向けてなんかやりゃいいのにやらなかったり、周りには調子のいいウソなんか言っちゃって変な空気にしちゃったり。フランシスを観ているとまるで自分の鏡のようで痛い……。filmarksのレビューでも「自分と重なる……」という感想が多いのもうなずけます。てことは、みんなフランシス的要素を持っているってことです。








連載『ロブスター』

フィルマガでのイラストコラム連載記事です!
読んでいただけると嬉しいです。



独身は禁止であり、独身のままだと動物に変えられる世界を描いたシュールなコメディ映画が『ロブスター』。コリン・ファレル主演で、第89回アカデミー賞脚本賞候補にもなった隠れた名作ですよ。

独身者は施設に入れられて、そこで新たな45日以内にパートナー探しをしなければなりません。失敗したときに変身させられる動物は自分で選ぶことができます。大抵の人は犬を選ぶので世界に犬が増えている、とのことです。

セクシースターのコリン・ファレルがお腹ポッコリの非モテ中年に扮して、妻と別れてこの施設に入れられ新たなパートナーを探すべく奮闘する姿が悲しくも可笑しい。

意中の相手に近づくためいろんな技を駆使しますが、どれも裏目に出そうなものばかり…。 やりがちな失敗例の数々が羅列されていますので、恋愛下手男子のフリ見て我がフリ直していきましょう!


続きはコチラで→映画『ロブスター』

よろしくお願いします!






ハリエットと呼ばれた女 〜アニーの数奇な運命〜

『ラウンドヘイの庭の場面』(1888年製作の映画)





これは世界最古のフィルムってことですかね。
たぶん撮影実験か、カメラの販売プロモーション用かと。
※有料公開した世界最古の映画は『ラ・シオタ駅への列車の到着』らしいです。


ルイ・ル・プランスによる約2秒の動画。
相当金持ちの家の庭で、4人のレディース&ジェントルメンがダンス(というより移動)している様子。

ウィキペディアによると、向かって右奥のサラおばあちゃんは「回転しながら後方に歩く」ということだけど、どうみてもヨロヨロしながらただ後ろに下がっているだけ。
そしてこの撮影の10日後サラおばあちゃんは逝去なさいます。

ジョセフおじいちゃんは、白ヒゲを蓄えてロングコートの裾を大きく揺らしながらサラおばあちゃんの周囲を45度ほど周遊。
ジョセフおじいちゃんが一番楽しそうに動いているので、ジョセフおじいちゃんはこの撮影にノリノリだった模様。

アドルフは「2秒でそんなに移動できるのか!」と驚かせるほどに長い脚でスタスタと右から左へ移動する。
アドルフはこの映画の監督であるルイ・ル・プランスの息子である。

そして謎の女、ハリエット・ハートレイ
この女性についての記載はない。
ハリエットについて調べてみたので、下の方を読んでいただきたい。
もしかしたら、ハリエットアドルフは付き合っていたか、もしくは周りの大人たちによって結婚を勧められていた2人かもしれない。
しかしハリエットアドルフの動きにまったく親密さは読めない。
アドルフはちょっと照れているようにも見えるが、ハリエットの回転からは「冗談じゃない!何なの!」感が満載。

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現存する最古のフィルムに人間の動作が写っていることは興味深い。

「写真に写ると魂が抜かれる」っつって写りたがらない人もいたというのだから「動画なんてもってのほか!」ってなりそうだけど。
しかも、たとえばフェルメールの「牛乳を注ぐ女」のような日常的な動作を写すのではなく、この撮影直前にとっさに振り付けしたような動きを撮ったのも何故か。
動画は単なる記録技術にすぎなくて、芸術になるうるものだなんてそのときには思いもしなかったのではないか。
実際、ルイ・ル・プランスは発明家であり、カメラの特許を出願したりカメラの販売旅行をするなど、なかなかのやり手。
(妻のエリザベスは芸術家だったが)

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こ動画には老夫婦と若い男女が意図的に対比して描かれている。

女性は比較的おとなしい動作だが、男性はだいぶ快活に動いている。
当時の男女差が現れているのかもしれない。

老夫婦の年齢は不明だが、
サラおばあちゃんがこの10日後に亡くなってるのでだいぶ高齢かと。

監督のルイ・ル・プランスが撮影時47歳であることから息子アドルフは24歳くらいではないかと推測。
ハリエット・ハートレイはこの時15歳である可能性が高い(詳細は下に記述した)。

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どうしても僕には、この5人(監督ルイも含めた)に『アベンジャーズ』を観せたいという未来人としての傲慢な欲望が湧いてくるけど、世界最古のフィルムとして焼きついている5人の純真さを穢してもいけない。

あ、サラおばあちゃんはこの10日後に亡くなったわけだから、きっと家族はサラおばあちゃんの元気な後方移動を何度も見直したはず。
てことは、動画が単なる科学技術ではなく、人の感情に寄り添うものだということを世界の誰より早く気づいた人たちでもあるかも。
ちなみにルイ・ル・プランス自身もこの2年後、列車の中で謎の失踪を遂げている。
(2003年、パリ警察の記録の中からル・プランスによく似た1890年の溺死体の写真が見つかっている)


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謎の女 ハリエット・ハートレイ。

ハリエット・ハートレイを調べていたらこのサイトにぶつかった。
http://www.imdb.com/name/nm1799952/bio?ref_=nm_ov_bio_sm

トリビアのとこで、彼女の名前は「アニー・ハートレイであり、ルイとルイの妻エリザベスそれぞれの自伝にも彼女のことをアニーと書いてある。誰かが間違って〝ハリエット・ハートレイ〟と記載してしまったのだ」と書いてある。

2017年の記事(https://videonett.no/roundhay-garden-scene/)ではこれ採用して書かれている。
これを信じると、アニールイエリザベスの共通の友人である言える。
「撮影するから来てよ」と頼まれたのだろう。

しかしこれ(http://www.imdb.com/name/nm1799952/bio?ref_=nm_ov_bio_sm)によるとアニーは撮影時15歳だったことになる。若すぎないか。
と思って見直してみると、当時の15歳は大人びてたかもしれないし、15歳でも十分大人としてこれくらいの衣装は普段から着てたかもしれないし、撮影用に着たかもしれない。

いずれにせよ、アニー・ハートレイの追跡はここで終わった。

これから永遠にハリエット、いや、アニーは未来人である我々に背を向け続けるのである。