連載『ロブスター』

フィルマガでのイラストコラム連載記事です!
読んでいただけると嬉しいです。



独身は禁止であり、独身のままだと動物に変えられる世界を描いたシュールなコメディ映画が『ロブスター』。コリン・ファレル主演で、第89回アカデミー賞脚本賞候補にもなった隠れた名作ですよ。

独身者は施設に入れられて、そこで新たな45日以内にパートナー探しをしなければなりません。失敗したときに変身させられる動物は自分で選ぶことができます。大抵の人は犬を選ぶので世界に犬が増えている、とのことです。

セクシースターのコリン・ファレルがお腹ポッコリの非モテ中年に扮して、妻と別れてこの施設に入れられ新たなパートナーを探すべく奮闘する姿が悲しくも可笑しい。

意中の相手に近づくためいろんな技を駆使しますが、どれも裏目に出そうなものばかり…。 やりがちな失敗例の数々が羅列されていますので、恋愛下手男子のフリ見て我がフリ直していきましょう!


続きはコチラで→映画『ロブスター』

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ハリエットと呼ばれた女 〜アニーの数奇な運命〜

『ラウンドヘイの庭の場面』(1888年製作の映画)





これは世界最古のフィルムってことですかね。
たぶん撮影実験か、カメラの販売プロモーション用かと。
※有料公開した世界最古の映画は『ラ・シオタ駅への列車の到着』らしいです。


ルイ・ル・プランスによる約2秒の動画。
相当金持ちの家の庭で、4人のレディース&ジェントルメンがダンス(というより移動)している様子。

ウィキペディアによると、向かって右奥のサラおばあちゃんは「回転しながら後方に歩く」ということだけど、どうみてもヨロヨロしながらただ後ろに下がっているだけ。
そしてこの撮影の10日後サラおばあちゃんは逝去なさいます。

ジョセフおじいちゃんは、白ヒゲを蓄えてロングコートの裾を大きく揺らしながらサラおばあちゃんの周囲を45度ほど周遊。
ジョセフおじいちゃんが一番楽しそうに動いているので、ジョセフおじいちゃんはこの撮影にノリノリだった模様。

アドルフは「2秒でそんなに移動できるのか!」と驚かせるほどに長い脚でスタスタと右から左へ移動する。
アドルフはこの映画の監督であるルイ・ル・プランスの息子である。

そして謎の女、ハリエット・ハートレイ
この女性についての記載はない。
ハリエットについて調べてみたので、下の方を読んでいただきたい。
もしかしたら、ハリエットアドルフは付き合っていたか、もしくは周りの大人たちによって結婚を勧められていた2人かもしれない。
しかしハリエットアドルフの動きにまったく親密さは読めない。
アドルフはちょっと照れているようにも見えるが、ハリエットの回転からは「冗談じゃない!何なの!」感が満載。

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現存する最古のフィルムに人間の動作が写っていることは興味深い。

「写真に写ると魂が抜かれる」っつって写りたがらない人もいたというのだから「動画なんてもってのほか!」ってなりそうだけど。
しかも、たとえばフェルメールの「牛乳を注ぐ女」のような日常的な動作を写すのではなく、この撮影直前にとっさに振り付けしたような動きを撮ったのも何故か。
動画は単なる記録技術にすぎなくて、芸術になるうるものだなんてそのときには思いもしなかったのではないか。
実際、ルイ・ル・プランスは発明家であり、カメラの特許を出願したりカメラの販売旅行をするなど、なかなかのやり手。
(妻のエリザベスは芸術家だったが)

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こ動画には老夫婦と若い男女が意図的に対比して描かれている。

女性は比較的おとなしい動作だが、男性はだいぶ快活に動いている。
当時の男女差が現れているのかもしれない。

老夫婦の年齢は不明だが、
サラおばあちゃんがこの10日後に亡くなってるのでだいぶ高齢かと。

監督のルイ・ル・プランスが撮影時47歳であることから息子アドルフは24歳くらいではないかと推測。
ハリエット・ハートレイはこの時15歳である可能性が高い(詳細は下に記述した)。

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どうしても僕には、この5人(監督ルイも含めた)に『アベンジャーズ』を観せたいという未来人としての傲慢な欲望が湧いてくるけど、世界最古のフィルムとして焼きついている5人の純真さを穢してもいけない。

あ、サラおばあちゃんはこの10日後に亡くなったわけだから、きっと家族はサラおばあちゃんの元気な後方移動を何度も見直したはず。
てことは、動画が単なる科学技術ではなく、人の感情に寄り添うものだということを世界の誰より早く気づいた人たちでもあるかも。
ちなみにルイ・ル・プランス自身もこの2年後、列車の中で謎の失踪を遂げている。
(2003年、パリ警察の記録の中からル・プランスによく似た1890年の溺死体の写真が見つかっている)


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謎の女 ハリエット・ハートレイ。

ハリエット・ハートレイを調べていたらこのサイトにぶつかった。
http://www.imdb.com/name/nm1799952/bio?ref_=nm_ov_bio_sm

トリビアのとこで、彼女の名前は「アニー・ハートレイであり、ルイとルイの妻エリザベスそれぞれの自伝にも彼女のことをアニーと書いてある。誰かが間違って〝ハリエット・ハートレイ〟と記載してしまったのだ」と書いてある。

2017年の記事(https://videonett.no/roundhay-garden-scene/)ではこれ採用して書かれている。
これを信じると、アニールイエリザベスの共通の友人である言える。
「撮影するから来てよ」と頼まれたのだろう。

しかしこれ(http://www.imdb.com/name/nm1799952/bio?ref_=nm_ov_bio_sm)によるとアニーは撮影時15歳だったことになる。若すぎないか。
と思って見直してみると、当時の15歳は大人びてたかもしれないし、15歳でも十分大人としてこれくらいの衣装は普段から着てたかもしれないし、撮影用に着たかもしれない。

いずれにせよ、アニー・ハートレイの追跡はここで終わった。

これから永遠にハリエット、いや、アニーは未来人である我々に背を向け続けるのである。



上半期93本

上半期で93本観てました。ちゃんと数えたら。
ちょっとやっぱ気持ち悪いですね。

オススメの10本。順不同です。

ムーンライト マンチェスター・バイ・ザ・シー  ドリーム  ひつじ村の兄弟  ストロングマン/ストロングマン 最低男の男気大決戦!!




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93本(下から見た順で並んでます)

それぞれの感想はこちら


素晴らしきかな、人生
20センチュリー・ウーマン
容疑者Xの献身
フェア・ゲーム
海底 47m
コンカッション
アナと雪の女王/エルサのサプライズ
愛犬とごちそう
ミッキーのミニー救出大作戦
紙ひこうき

ラプンツェルのウェディング
ネッシーのなみだ
ウェイン&ラニー クリスマスを守れ!
小さな時計
グーフィーのホームシアター
マッチ売りの少女
キングコング対ゴジラ
ゴジラ(1954年)
ロレンゾ ジョン・ヘンリー
ドリーム 

スーサイド・スクワッド
ありがとう、トニ・エルドマン
セールスマン
ソウルガールズ
メッセージ
夜に生きる 
ジュラシック・ワールド
ひつじ村の兄弟 
リップヴァンウィンクルの花嫁
素敵な遺産相続

マジカル・ガール
夜空はいつでも最高密度の青色だ
ザ・コンサルタント 
インナー・ワーキング
モアナと伝説の海
NO
FRANK ーフランクー
SHAME シェイム
フューリー
モーガン

プロトタイプ L-9
ジャンゴ 繋がれざる者
二ツ星の料理人
しあわせな人生の選択 
エブリバディ・ウォンツ・サム!! 世界はボクらの手の中に
キャビン・イン・ザ・ウッズ
ベル ある伯爵令嬢の恋
黄金のアデーレ 名画の帰還
シュガーマン 奇跡に愛された男
パプリカ

葛城事件
素敵なサプライズ
ブリュッセルの奇妙な代理店
ラスト、コーション
マンチェスター・バイ・ザ・シー 
アイヒマン・ショー/歴史を写した男たち
キングコング:髑髏島の巨神
レヴェナント:蘇えりし者
SAINT LAURENT/サンローラン
ハドソン川の奇跡

ブリッジ・オブ・スパイ
サウルの息子 
オデッセイ
オートマタ
サラエヴォの銃声
皆はこう呼んだ、鋼鉄ジーグ
エルミタージュ美術館 美を守る宮殿
俳優 亀岡拓次
ロング・トレイル!
マネー・ショート 華麗なる大逆転

シング・ストリート 未来へのうた
愚行録
孤独のススメ
フライトナイト/恐怖の夜
彼らが本気で編むときは、
ラ・ラ・ランド
家族はつらいよ
ヤング・アダルト・ニューヨーク
最高の花婿
団地妻 昼下りの情事

日本で一番悪い奴ら
ムーンライト
ヨーヨー・マと旅するシルクロード
フレンチ・ラン
アイヒマンを追え! ナチスがもっとも畏れた男
ストロングマン/ストロングマン 最低男の男気大決戦!!
さざなみ
神様メール
THE NET 網に囚われた男

マネーモンスター
ローカル路線バス乗り継ぎの旅 THE MOVIE
ボーダーライン

それぞれの感想はこちら


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フィルマガ連載記事も6本になりました。
月2ってのはなかなか大変です。。

『素晴らしきかな、人生』
『ザ・コンサルタント』
『ラースと、その彼女』
『ヘルプ 〜心がつなぐストーリー〜』
「ビフォア」シリーズ三部作
『好きにならずにいられない』




特集記事『素晴らしきかな、人生』

誰にとっても心に響くメッセージを伝えてくれるこの『素晴らしきかな、人生』を、今回はイラストで紹介したいと思います!
ウィル・スミス演じる主人公ハワードは、広告代理店の社長。
かつての彼はとても明るく、巧みな言葉遣いで社員の士気を高め、クライアントにも人望のあついカリスマ社長でした。
ところが、6歳の愛娘を病気で亡くしてからというもの、仲の良かった奥さんとも離婚をして、ずっとふさぎ込んでしまっている状態です。

→続きは、こちらで。お願いいたします。












フィルマガ特集記事『素晴らしきかな、人生』

連載『好きにならずにいられない』

43歳、オタク、女性経験ナシの大男フーシが初めての恋に奮闘するのがアイスランド映画『好きにならずにいられない』です。北欧の映画賞で主演男優賞を総ナメしているだけあって、主役のフーシのインパクトがすごいんですよ。
ジオラマが好き(第二次世界大戦ゲームという謎のゲーム)で、ラジオのリクエスト番組の常連リスナーで、会社ではちょっと(いや、かなり)いじめられていて、金曜の夜は1人でタイ料理を食べる、というのがフーシの毎日。
フーシを見ていると「初めての恋、頑張って!応援するよ!」と思わず上から目線で見てしまいそうになるんですが、実はそんじょそこらの男では敵わないくらいに男らしかった!
そんなアイスランドの妖精(?)フーシの隠された男らしさを紹介しますよ。どうぞ!