4月15日 ハロルドが笑うその日まで(試写会)

4/12に『ハロルドが笑うその日まで』の試写会に行くことができました。

昔ながらの家具屋を営んでいたハロルドの店の隣に
世界最大の家具チェーン IKEAが建っちゃって
ハロルドの店は閉店してしまう。
さらに奥さんも失って、すべてを失くしたハロルドはIKEAの創業者(カンプラード氏)の誘拐を企てる!
という話。 







初めてイラスト描かせていただいた映画が自分好みの面白い映画である確率はきっとあまり高くないだろうな。。と
思っていたのでドキドキでしたが、冒頭のシーンからしておもしろかったです!(嘘っぽいですか)


前情報ナシに映画を見ることがもはや無理なので映画の大体の設定やあらすじは分かっていながら見るわけです。
なので、特にコメディ映画の場合、いかに冒頭の設定説明部分を時間省略できるかが鍵です。

まず冒頭の設定説明とその省略の仕方がおしゃれ。
北欧の民族音楽をモチーフにしたBGMもおしゃれ。
「面白くなかったらどうしよう」という不安は半分くらいになりました。


無計画な誘拐なのでストーリー的にも(映画的にも)一瞬不安になる場面もありますが、直後新たな展開や新たな登場人物が出てきたりするので大丈夫。
こういうとこもうまいなぁと。
ノルウェーの映画賞では脚本賞とってんですね。

あと、主演俳優さん(ビョルン・スンクエスト)が渋くて寡黙なんだけど緩急ある演技で表情も楽しいので、蛇行運転みたいなストーリーに揺さぶられても主演俳優の魅力で中心に惹きつけられたまま最後まで映画の世界に浸れます。
ビョルン・スンクエストさん、ノルウェーでは主演賞を5回取ってるそうですよ。
たぶん普段は極道みたいな役を得意とする役者さんかと思われます。顔の迫力すごいもん。

登場人物ひとりひとりに対する愛情が感じられて、全体として「かわいい」映画だなと思いました。
88分という潔さもいい。
ラストも、嘘抜きで僕好みの終わり方でとても好き。

笑いを誘うシーンでは、クスッとしたり、お客さんみんなで声出して(手叩いて)笑えたり、「このシーンでは笑わそうとしてるんだろうな」だけじゃなくて本当に笑っちゃうってのはあんまりないので、みんなで見てみんなで笑うってのはいい映画体験だよなと思いました。
コメディが散りばめられたストーリーと可愛らしい登場人物を追いながら、北欧の景色や文化を見ることができるってのは海外コメディ映画の正しい形。


IKEAに対する風刺がかなりきついので、よくIKEAはオッケーしたなと感心しました。。



面白くてかわいいシーンが多いのですが、
僕が一番好きなのはコレ。


いよいよ八方ふさがりでどうにもならない、どこへ向かいようもない、
だけど、誘拐したIKEAの創業者(カンプラード氏)への恨みも全然消えない。

怒りの吐け口が見つからず、
自分たちが乗ってるキャンピングカーを「ただ揺らす」というシーン。

ものすごくかわいくて大好き。






4月16日から 恵比寿ガーデンシネマ(その他全国劇場)にて ロードショー

http://harold.jp/